<感想文>致知2022年2月号 対立・矛盾する2つの概念を超越する概念 田口佳史氏と平川理恵氏対談

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対立・矛盾する2つの概念を超越する概念

百万の経典 日下の燈

(致知2022年2月号 P8-P17を読んで)

古典の名著「大学」に学ぶ 修己治人の道 田口佳史氏と平川理恵氏対談

田口氏、平川氏対談の一説で〔あっそうか!そういうことか〕という感銘を受けたので、紹介する。
徳についての2つの矛盾する考えについての考察。

P11 3段26行
老荘思想では、徳はひそやかに積みなさいという考え。
一方、「大学」では、徳は声高に正々堂々と説くべきという考え。

一見すると矛盾するこの2つの考えについて、田口氏は文中で次のような見解を出している。

「これは、つまり隠そうと思っても徳がにじみ出てくる人間になりなさいの意味。これが徳だと力説しているだけでは価値がない。
言い換えれば、自己の最善を他者に尽くしきるときに明徳が現れるし、そういう生き方をしなければいけない」。

両者の対談の中で〔あっそうか!そういうことか〕と感銘を受けたことは、
対立、矛盾、利害関係で行き詰まりを解決する、より高い位置で「抽象的概念」を持つこと。

責任感を持って、物事を成し遂げようとする人の前に必ず現れる対立、矛盾、利害関係。
そして、生ずる課題、問題。それは、頭を悩ます存在になる。
しかし、対立・矛盾・利害となる両者の関係を、より広く愛のある視点で「抽象的概念」を手に入れることで、
今までとは別のステージで物事が進むということに実感が持てた。

追記:
発表後、㈱mobility career代表の加藤滋樹会長より、嶋崎さんの考えはアウフヘーベンのことを
ご自身の言葉を通じて表現されていらっしゃいますねというご意見をいただきました。
確かに、この言葉を調べてみると同じ意味の概念で他分野からのアプローチで紹介されていましたので紹介します。
2つの関係性を、超越、昇華させる第3の概念。そうです、この概念のことでした。
「アウフヘーベン」の意味とは?https://biz.trans-suite.jp/15881

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