<感想文>致知2024.07月号 特集総リード「師資相承」を読んで 

講師コラム

特集総リード「師資相承」を読んで

(致知2024年7月号)

「師資相承」ししそうしょう:師から弟子へと「道」を次第に伝えていく事。(広辞苑)

私は、この説明の道という言葉の使い方にピンとくるものがあった。
弓道、茶道、華道など、日本古来のわびさびなどを代表するように、
礼節、価値観と美学、またそれを明文化せずに師から弟子に伝えていく様など、
「道」という概念が言葉の表現としてとても的確で、奥行き深いものだと感じた。

文中で、スケールは小さいが自分が実感を伴って
「伝える、教えを受ける」両方の側面で大切を思ったことを抜粋したい。

・伝えんとする師の熱量と、弟子の熱量が相対峙しなければ成り立たない
・社長の状況に思いをはせることで、何の件で自分を呼んだかが分かった
・心底尊敬した人から知らず知らずのうちに多くのものを学ぶ

私には、弟子、師匠というとレベルが高すぎるので
「教えを受ける側」「教える側」と言い直すと、自分でも当てはまると思った。

例えば、私が憧れる社長から、肌感をもって感じとって学んでいった事。
これには「尊敬」が第一にあり、それをもってその人を観察し、
その人の状況に思いを馳せ、現場を見る。
このことでたくさんの師の意図と、具現化した現実を感じ取れる。
これこそ、生きた勉強と感じる。
これが、あの人の技術はすごいけど、
人間性はちょっと…と思うような人からだったら、
私は熱量を持てるか、学びとれるか?ちょっと、厳しいように思った。

また、逆の教える側として講師して受講者と対峙するとき。
ビジネスゲームというコミュニケーションツールを使うのだが、
私が伝えたいことは技能ではない。
受講者が持参する「人生のテーマ」が何より大事だ。
そしてそこにかける熱量。私のマンツーマン講座では毎回、
予定調和的な決まったゴールはなく、
先ほどの各自持参した「人生のテーマ」を
経営という側面で寄り添って答えを出す手伝いをする。
私は数日間は全集中で、受講者の一挙手一投足を観察し、
その人に必要なことを返答するので、ヘトヘトになるまで気力を使い果たす。

講座が本当にその人のためになるかで、
一番大切なことは受講者の熱量。
自分の人生のテーマに真剣に向き合った人は、
すぐにわかるし、実際にとても多くの成果の種をお持ち帰りすることができる。
ある時は、受講半年後にお礼が届き
「自分を生かせる新しい仕事と、人生の伴侶を見つけられた」と報告があった。
その方はセミナーで感じた自分を信じる事を、
経営の場で確信できましたと触れられていた。
私は人のきっかけとなり、動きだしたことに関われたことにとても充実感を覚えた。

話は長くなったが、伝える、教えを受けるという事に関し
「道」という感覚がとても好きだったので
自分の事を思い出しながら考えをまとめてみた。

本当に使える学びは、尊敬から始まり、熱量をもって学び取るもの。
環境や状況など同じ時間を過ごすことで、
暗黙的な部分を受けとり、その部分が本当に大事な学びである。

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