<感想文>致知2025.05月号 かくして日本一の鮮魚店を作ってきたを読んで

講師コラム

かくして日本一の鮮魚店を作ってきたを読んで

サスエ前田魚店代表 前田尚毅
(致知2025年5月号)

日本一の鮮魚店とは何ぞや?と最初に私は思ったのだが、
読み進めるうちに「ああ、そういう事か。まさしく、ふさわしい。」という感情に変わっていった。
特別なことは、しているようでしていない。
難しいことではないが、続けていく事は難しい。
前田さんの行動の一つ一つの積み重ねが、「特別」にならざるを得ないと思うようになった。

寝る間を惜しまず魚に情熱を注ぎ、地元にある大衆魚のポテンシャルを最大に引き出せば、
高級魚にも勝るとも劣らないというのがポリシー。
彼いわく、「50円の鰯が、1万円の魚を負かしたらすごくないですか?それを狙いたいんです」とのこと。
かっこいいなと素直に思った。
また、買ってくれる料理人、届けてくれる漁師との関係も凄く重視し、
行動で信頼される事を勝ち取り巻き込んでいく姿も また、かっこいいなと思った。

彼の言葉は、そして行動も、すべてが一つのポリシーで貫かれていて日本一の鮮魚店にふさわしいと思った。
それは、魚への向きあい方、魚に関わる人への向き合い方に表れている。

そんな彼も、学校の勉強はできないし、先生を困らせるやんちゃ小僧。
市場で喧嘩したり、さぼって昼寝はざらだったそうだ。
就職先にも見放されて、やめてくれと言われる始末。
家業の魚屋を継いで、くすぶる日々の中で自分の魚を買ってくれる割烹料理店の長谷川親方との出会いがあった。
目利きもおぼつかない、駆け出しの選んだカツオを何度も何度も何度も買ってくれた。
彼には今まで体験したことがなかった、「信頼される」ことで、嬉しくもあり、
それに応えたいと思う気持ちが、心を入れ替え必死で仕事をするそうになったそうだ。
親方も案外、そんな前田さんのポテンシャルを見出していたのかもしれないと思った。

今回の話で感じた事は、
「人はいつでも変われる」
「人の期待に応えたくて、人は変われる」
「魚でも、人でも、ポテンシャルを発揮されることがキラリと光る。
そして、それには特別な方法ではなく、地道な積み重ねこそが特別になっていく」
という学びだった。

くじけていても、いじけていても、何かきっかけがあって、スイッチが入れば好転していく。
だが、それは一発逆転ではない、積み重ねこそが特別なのであると強く感じました。

勇気を頂き、ありがとうございました。

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