<感想文>致知2025.06月号 「AI時代に負けない生きる力を育む子育て」を読んで

講師コラム

かくして日本一の鮮魚店を作ってきたを読んで

内田伸子さん×川島隆太さん対談
(致知2025年6月号)

川島さんというと、「大人のDSトレーニング」という脳トレゲームで覚えており、
脳科学の分野と内田さんの発達心理学のご専門の対談に興味深く読ませていただきました。

GIGAスクール構想の功罪と、スマホなどのデジタル端末がもたらす、子ども脳の発達についてお話をされており、要点として「デジタル端末の一面には、自分で行間を読む力、自分の頭で深く考える力が身に付かない」「これは、でデジタル端末に頼ることで、なんでも深く考えずに手っ取り早く答えを見つけようとする」と述べられています。
そして、ひいては、自尊心、自己肯定感、共感性を下げてしまい、感情の抑制や神経症状にもつながってしまうと警鐘を鳴らされています。

これについては、大いに思い当たる感覚が自分にはあり、元来学びとは子どもの持つ知的好奇心からくるものであると私は感じていました。
例えば、私達世代では今のように、情報やコンテンツが溢れる世の中ではありませんでしたから、限られた情報の中で、何とか楽しさを見出そうとしていました。
私の場合は、図鑑を読んで空想し楽しんだり、秘密基地と称し、子どもが集まる場所をつくったり、道路の白線などを踏み外さないように延々と学校までの帰り道を綱渡り感覚で冒険していました。
こういった事は、一見するとそのままでは全然面白くないことを、子どもの空想力で縛りやルールを作り、その中で遊びを創り出す、そして時には仲間と共有し同じ世界を見ていました。

妻にも、これらのことを話すと、やはり当時は楽しいコンテンツは少なかったので、自分で紙芝居をつくったとか、ごっこ遊びに興じたなどの話で「子どもって、馬鹿だよね。だけどそれがいいよね」と大いに盛り上がりました。

対談の中では、子どもの非認知能力を高めるために、遊びが生きる力を育み、能動的な活動で豊かな創造をすることが大切であると説いており、これらは自分たちの子育てにおいても、「なんとなく」大事だなと思っていたことです。
読み聞かせを称し、毎晩創作の話を息子にしたり、すごろくやボードゲームでアナログな遊びのひと時を過ごしたり、海水浴はとこまでも続く、「魚を実際に手に触れることができる」水族館のような感覚で、今も毎年継続中です。

目的があって何かを習得する事だけではなく、目的も意味もよくわからないけど、遊んでいると確かに楽しいという事には「何か大切な事がある」と、そう思えます。
またそれを共有できる事は嬉しいことだなと改めて遊びについて別角度からの知見をえました。今後も続けていきたいと思います。

関連記事一覧