<感想文>致知2023.3月号 子どもの健やかな心を育てる条件 渡辺久子

講師コラム

子どもの健やかな心を育てる条件

渡辺久子さん

(致知2023年03月号 P26~30を読んで)

概要:子どもの精神疾患などに真正面から取り組む渡辺先生のお話から。
P26~30
渡辺先生から受け取った文中からのメッセージ
・子どもの問題は、子どもだけにあらず。家庭や体験の中に、何か原因がある。
・関係性に問題がある親も、その上の親にきちんと育てられていないことが多い
・子ども自身が本音で親に話せる関係があれば、問題の前に対処できている。
・子どもらしく泣いたり、笑ったり、いたずらしたり、失敗や挫折から学び、ココロの免疫をつける必要がある
・本当は遊びたい、甘えたい気持ちを消化できないまま親になると躓きやすい。
・渡辺先生は「生きた体験」が、自分のベースなっている。途上国の貧民街を見た事、先進国の豪華で裕福な暮らしを見た事。貧困に苦しむ、子どもを助けたいという感情が生まれた。
・医師になった後、本物になりたいかと問われYESと答える。通常の3倍の患者を診ることが出来た。これも、「生きた体験」
・拒食症の子は、いい子ばかり。頭が良い反面、いい子でいなければいけないことも。いい子でいなければいけない、失敗はいけない。隠し通せずに、思春期に爆発。
・医者として、子どもと向き合う際に「自分の体は自分だけのものでない。親が命がけで生んだ」関係性が確かであれば、本気で言えば、かならず伝わる。
・子育ては、良い時はほっておいてよい。必ず訪れるうまくいかないときに「心の港」になること。その子ども時代の経験が、将来を豊かにする。満足をしたら、自分から離れていく。

私の解釈まとめ
・子どもの心の立ち直りで、支援者と子どもの「関係性と信頼感」がきっかけとなる。
・信頼感の源泉は、子どもが心を開ける状態。そして、開いていいと思うには安心感が必要。本人自身が、私の事を思ってくれているという実感は大切である。
・「存在の価値」が大切。勉強をするから価値がある、いい子にしているから価値があるは「条件付き価値」
そうではなく「存在自体の価値」=生きていること そこにいる事 条件はない    
その事に本人が気づける環境や働きかけがあるか。
・問題発見、提案は必ずしも有効ではない。相手が立ち直りたいと思えるそのタイミングまで待たなければいけない。働きかけは常に行う。
・問題に立ち向かっていくには、エネルギーが必要。その源泉は、「存在の価値」に気づけたか、絶対的な安心感があるか。
・子ども自身が、ダメな自分と向き合えるか。受け入れられるか。絶望を受け入れるには時間もかかる。
・「腰に帯して立ち上がる経験」は誰でも起こりうる話。大小はあると思うが、挫折を受け入れ、ただ自分は「存在だけで価値があると思える」心の港があるか?

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