<感想文>致知2023年12月号 お天道様は 見てござる

講師コラム

お天道様は 見てござる 木村屋聰本店 社長 木村光伯 インタビュー を読んで

(致知2023年12月号)

私がこのインタビューを読み、事業継承の挑戦で強く印象に残った部分を中心に紹介し、最後に感想を書かせていただきます。

印象に残った点
・理念の定義しなおし
・形骸化を避ける
・理念を生きた言葉にしたい
・ベテラン社員など従業員の現場感の裏をとる(ズレを無くす)
・理念は 食 で感動をつなぎ幸福の輪を広げる
・理念を再定義し従業員の日々の行動、意志決定につながるように

・事業立て直しを図る、後継者の姿として感じとった物
・経営の大先輩、中條さんからの「おてんとうさまは見てござる」を肝に銘じよの教え
・会社という命を守り抜く覚悟があるか 
・社長が土下座して守り抜けるか 
・社長は選択肢を死ぬ気で考えたか
・泥水をすすってでもやりきるか?
・従業員の首を切って、恨まれてもやれるか?

・会社という命の外科手術と内科手術の断行
 ・外科は、工場の閉鎖とリストラ
 ・内科は、社内の雰囲気・人の考え方を良い方へに変化させたいが、中々手ごわい。会社としてベクトルを合わせられるか。
 ・損益分岐に達してからの、どんな会社にしたいかのビジョンが欠けていた。赤字を止めることに全力だった。
 ・社員はマニュアル通りにやっていればいいという意識。疑問を持たず、言われたことをやるだけの空気感の危うさ。

・時代によって変える表現と、変えない軸の部分
 ・表層的な部分は合わせてよい
 ・軸は変えていけない
 ・日清食品とのコラボで 完全めしアンパンのチャレンジ事例
 ・SDGSの流れを受け、日持ちするパンに取り組んでいるチャレンジ事例
 ・木村家には先代や職人のマインドが詰まった空っぽのお墓があるというお話

感想
事業継承者として、理念を継承する事はとても大切なことだと思います。そのうえで【形骸化したそのカタチにこだわるのではなく、理念の真意をくみ取り再構成】という取り組みをされたお話であると私は受取りました。これは継承者として「したい事」ではなく、継いだ会社の存在として「やるべきこと」を全うするかの違いだと思います。後継者がしたい事か、会社がやるべきことなのか、この問いの立て方によって、その企業の進む道は大きく異なるのではないでしょうか?

このお話では、事業を存続させるために、お金の面で財務の大改革が待ったなしの状況で覚悟のうえで断行されました。その後は、社内風土や新しいものが生まれる環境づくりを、理念に立ち返って再構築されていきます。これは、会社としてやるべきことだと思います。

その後の、危機は脱したものの会社としての方向性が弱くなり、皆のベクトルを合わる改革を行ったという話も、もちろんやるべきことなのでしょう。

最初は 社長として「したいこと」というのは、巻き込み力や会社としての独自性など経営者と組織によってレベルが分かれると思います。組織への信頼が薄く、社長の思い付きであれば「したいこと」であり、自分の我を超えていない。でも、最初からやるべきことにはたどり着けないので、したいことも含め目の前のことをとにかく真剣にやってみる。そんなことを繰り返していくうちに、「やるべきこと」をつかむことができ、まわりからその存在を求められ、まるで天が導いてくれる道のような感覚じゃないかと私は思います。

関連記事一覧